2009年01月20日

【最高!】映画:ザ・ローリング・ストーンズ『シャイン・ア・ライト』

ザ・ローリング・ストーンズ×マーティン・スコセッシ「シャイン・ア・ライト」O.S.T.
ザ・ローリング・ストーンズ
B0013BYBYQ


(著作権を考慮して画像はサントラCD)

私はこの映画を見る迄はっきりいってストーンズのファンでも何でもなかった。60過ぎのオッサン達がいまだにロックをやってて、それはそれでカッコいいのかもしれないが、むしろとっとと引退した方が全盛期がより伝説として輝きを増すだろうに、くらいに思っていた。

ところがこの映画を観た後はどうだろう。自分の認識の浅さを大いに反省すると共に、もうすっかりストーンズの虜になっていた。ストーンズの全盛期は60年代でも70年代でもない。常に今この瞬間が全盛期なのだ。

全精力と魂を込めてロックを楽しみ、そしてロックを表現する様は圧巻で、世界中のロックアーティストがまるでママゴトをしているかのように思えてしまう。若いアーティストが束でかかっても勝てるはずがない。次元が違う。ロックの神というか、ストーンズ自体がロックなのだと改めて実感させられる圧倒的なパフォーマンスだった。

この映画は紛れもないストーンズのライブ映画ではあるが、マーティン・スコセッシという説明不要のハリウッドの巨匠が監督しているということもあり、凡百のライブ映画とは一線を画す作品に仕上がっている。私のようなストーンズ素人や、ライブ好きでない人も楽しめる一級のエンタテイメント映画だ。

冒頭は、今回の映画撮影用のプレミアムライブの製作現場を映したドキュメンタリーから始まる。ミック・ジャガーとスコセッシの意見が対立したり、ミックがセットリストを開演直前までなかなか決めなかったりして、ハラハラさせられる展開。そして観客の興奮と待ち遠しさが絶頂に達した瞬間に、1曲目の「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」が始まる。もう映画館にいることを忘れて、飛び上がりたい気分だった。

本作の魅力は、ストーンズ自身の素晴らしさが最大の要素であることはもちろん、スコセッシがまとめ上げた絶妙なカメラワークにもある。ストーンズやゲストアーティストの動きや表情を克明に捉え、脳裏に刻み込まれるような印象的なシーンを次々とつないでいく。観終わった後はライブというよりもまるで1つの物語を読み終えた後のような満足感を味わうことができた。

この最上級のカメラワークは、この映画でしか味わえない独特の体験を生み出すことに成功している。この臨場感は、実際にライブ会場で直にアーティストを見る時の感覚とは質的に異なった、映画特有の感覚なのだ。よく大型会場のライブに行くと、遠くにいるアーティストを見つめる視線が単調になってきてしまい、気がつくと目まぐるしく移り変わる大型スクリーンの方を見てしまっているということがある。そう、ある条件では、生でアーティストを見るよりも、映像を通して見たほうが刺激が大きいという状況が存在するのだ。

本作のカメラワークの場合、単にドラマチックさや迫力を増しているだけでなく、一種独特の印象を観客に与えている。それは、ストーンズの「老い」も克明に捉えている所だ。ミックの顔のシワ、キースの骨ばった細い二の腕、曲と曲の間でふ〜っと一息ついているチャーリーなど、容赦なく映し出している。なのに、それなのに、展開されているパフォーマンスは若いアーティストが束でかかっても一生勝てないくらいにエネルギッシュなのだ。

そこで私は、何か異様なものを見ているような不思議な感覚に襲われ、そして次の瞬間には、それは常人を遥かに越えた何か崇高なものを目の当たりにしている時のような、心が震えるような感覚に変わったのだ。

とにかく、観れば必ず心が打ち砕かれる最高の作品。これで感動しないんだったら、あなたの心は死んでいるに違いない。
posted by Tommy at 13:22| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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