2009年02月16日

村上春樹氏がエルサレム文学賞を受賞

勇気ある決断だったと思う。

村上春樹氏がイスラエルの文学賞である「エルサレム文学賞」の授賞式に出席した。パレスチナ問題を扱うNGOから受賞辞退を求める声明も発表されていて、村上氏の行動には注目が集まっていた。

「受賞しない」という選択ももちろんあったのだろう。
しかし、村上氏は「受賞してイスラエルの地に赴く」という選択を選んだ。

作家・村上春樹さんが「エルサレム文学賞」を受賞
「私は遠くで見てるより、ここに来ることに決めた。自分の目で見ることを選んだ。何も話さないよりも、皆さんと話したいと思った」
(広島ホームテレビ 02月16日07時54分)

上記のサイトで短い動画だが、スピーチをする村上氏の姿を見ることができる。動画の中の村上氏の表情は終始一貫して硬い。いささか大げさな身振りを交えながら、幾分神経質にも見える口調で、英語のスピーチをする村上氏は、現在のパレスチナを巡る事態の深刻さを踏まえつつ、内にイスラエルに対する激しい怒りを秘めているようにも見える。

村上春樹さんに「エルサレム賞」=スピーチでガザ侵攻を批判
「村上さんは例え話として、『高い壁』とそれにぶつかって割れる『卵』があり、いつも自分は『卵』の側に付くと言及。その上で、『爆弾犯や戦車、ロケット弾、白リン弾が高い壁で、卵は被害を受ける人々だ』と述べ、名指しは避けつつも、イスラエル軍やパレスチナ武装組織を非難した」
(時事ドットコム 02月16日06時47分)

村上氏が授賞を受けたことに関しては今後少なからず賛否の声が上がってくることだろう。その中で、私自信は今回の村上氏の行動を勇気ある決断として支持したい。村上氏は、地下鉄サリン事件を扱った『アンダーグラウンド』以降、「社会へのコミットメント」をテーマに作品を書き続けている。今回のエルサレム賞受賞は、事件から10年以上経った今でもなお、村上氏が「社会へのコミットメント」というスタンスを堅持しているということを、全世界に向けて証明したのだ。

村上氏は近年、「悪」というテーマも追求したいと語っている。今年初夏に刊行が予定されている氏の最新長編小説で「悪」が扱われることは間違いない。それがまたヘブライ語に翻訳されたあかつきに、イスラエルの人々の心にどのような影響を与えるのだろうか。絵空事かもしれないが、その1冊が、平和への小さな芽となってくれることを願わずにはいられない。
posted by Tommy at 10:38| Comment(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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