2009年07月01日

【映画】『大日本人』

9月に松本人志の第二回監督作品『しんぼる』が公開されるので、一作目のレビューをアップしておこう。もう公開されてかなり時間が経っているのでラストに触れても問題ないだろう。

大日本人 通常盤 [DVD]
松本人志, 神木隆之介, UA, 板尾創路, 松本人志
B000W05NUU



世間から冷ややかな扱いを受けている哀しい変身ヒーローの大佐藤へのインタビューと「獣」(じゅう)と呼ばれる怪物との戦闘シーンを中心に進行していく。インタビューシーンでは、インタビュアーのぶっきらぼうな質問に松本がほとんど「素」のキャラで、あの独特のお笑いセンスに満ちた回答をしていく。最初は少し退屈に感じたが、慣れてくると結構面白く観ることができた。

面白いとおもったシーンを何点か。

・怪物と戦うヒーローのはずなのに、給料が支給と副収入合わせて50万円くらいで80万円は欲しい。

・副収入はもっぱら変身時の体へプリントする広告収入。ちなみに大佐藤は腰に広告を貼るのが嫌いらしい。

・大佐藤の人気は下がる一方でテレビ放送枠も深夜になり、新聞では省略されて「大日」と書かれている。

・父はもっと大きくなりたいと思って無理をして命を落とした。大佐藤いわく「粋な人だった」という。

・ラストのスーパージャスティス家での晩餐シーン。なぜか関西弁でダメだしをしている。

まさに松本ならではの、後からこみ上げて来るようなお笑いが満載だ。これが果たして映画といえるのか、これまで多くの映画評をしてきた人間が創る作品なのか、という疑問が残ったが、他に似たような作品がまったく思いつかないことから、これはまさしく唯一無二の個性的な映画だったのだろう。

ラストのスーパージャスティスのシーンでは、なぜかCGではなく実写に変わるのだが、これはアメリカのメタファーであるスーパージャスティスの暴力性を表現するためだけではなく、その傍若無人っぷりの滑稽さも表現しようという意図があったのではないか。そのような政治的なメッセージを含めつつも最後はコメディーでまとめてしまうところがどこまでも松ちゃんらしい。観終わってからすぐはあまりの奇抜さに少し抵抗感を持っていたが、時間が経つにつれて実は質の高い作品だったのではないかと思えてくる不思議な作品。
posted by Tommy at 23:35| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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